大判例

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広島高等裁判所 昭和25(う)132 高裁判例

主 文

本件控訴を棄却する。

理 由

弁護人油木巌の控訴の趣意は別紙控訴趣意書記載の通りであるからこれに対し当

裁判所は次の通り判断を与える。

<要旨>第一点について。刑事訴訟法第二百三十一条第一項に所謂法定代理人の独

立告訴権の性質については学説の岐</要旨>れるところであり、有力な反対論はある

が当裁判所としては右は被害者の意思如何を問わず又その権利の消長如何に拘わら

ず行使し得る自己固有の権利であつてその本質において本人の権利を代理するもの

ではないと解する。さような見地に立てば刑事訴訟法第二百三十六条に「告訴をす

ることができる者が数人ある場合」とは本件の場合のように未成年者たる本人とそ

の法定代理人たる父と二人ある場合をも包含すると解せられるから同条によりたと

い本人が告訴期間の徒過により告訴権を失うも父において期間の徒過なき以上その

告訴権を失わないのである。所論はこれと反対の見地に立つて原判決を攻撃するも

のであつて論旨は採用できない。

第二点について。本件訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠により窺知

し得る本件犯行の方法状況被害の状況被告人の平素の行状その他一切の事情を考慮

し弁護人所論の被告人に有利な事情をも彼此考量するも原審刑を目して酷に失する

とは言えないから論旨は採用できない。

よつて刑事訴訟法第三百九十六条を適用し主文の通り判決する。

(裁判長判事 平井林 判事 久利馨 判事 藤間忠顯)

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